今の時代の業界団体役員像
5、6月に開かれる業界各団体の総会。今年は任期満了に伴う役員改選年に当たっているところが多く、その準備が進められていることだろう。
改選を前に、役員について最近思うところがある。それは、会員に対する奉仕の心や組織運営のための情報収集と事業運営のための行動を取らない役員を散見するようになったことだ。弊紙ではこれまで幾度となく「自らの利益のため」「地位と名誉に対する欲望」を持った人が業界団体の役職に付くのはどうしたものか、と指摘してきた。
歪んだ“自己実現”は、苦しい中から会費を納めている会員をないがしろにしているし「会員のための行動」と言いながら、我田引水の行動は見苦しい。
「コロナ禍の大変な時だから、役員はそのまま留任で」という声もよく聞く。果たしてそれでいいのだろうか。会員のためにしっかりと組織運営されているところは留任でいいと思うが、「大変な時だから」こそ利己的で何もしない人ではなく、会員や組織運営に尽力する人が役員に就かなければならないと思う。
コロナ禍と相対し、組織団体や会員の現状を俯瞰しながら利他の精神を発揮し行動する︱そんな今の時代に合った役員を選出してもらいたいものだ。
(トラベルニュースat 21年4月25日号)
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