多忙になる前に点検を
インバウンドの受け入れ再開や観光需要喚起策の全国展開など、本格的な観光リスタートに国も舵を切った。当面は個人客中心かもしれないが、新施策は旅行会社の取り扱いや平日利用の需要喚起にシフトすると聞く。グループや団体需要も期待できる環境になってきたと素直に喜びたい。
しかしながら、コロナ禍の2年半は事業者間の当たり前の商慣習も変えてしまったようだ。すでに、予約レベルでのトラブルが起こっていると聞いた。ある旅行会社が、案内所が休止していたため旅館に直接予約を入れた。電話口でしばらく待たされたあげく「御社は旅行業の登録をお持ちではないので、お客様はお受けいたしますが手数料をお支払いすることができません」と言われた。もちろん旅行業登録はしているにもかかわらずだ。怒り心頭の気持ちを社長宛てにファクスしたそうだ。ほかにも、約款上問題ない期間に人数減を旅館に伝えたら旅行会社へ取消料100%を要求されたといった話も聞こえてくる。
旅行会社の手配ミス、旅館のオーバーブッキングで担当者が機転を利かせ、怒っていた客を逆に大ファンにして送り返したという、さすがプロ同士の仕事という話を遺物にしてはいけない。観光客が動きだした今、現場をチェックしてはどうか。
(トラベルニュースat 22年6月25日号)
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