熊本県苓北町の本気度
熊本県苓北町は、数百年にわたり天草の政治・経済・文化の中心だった。日本の歴史上最大規模の一揆といわれる「島原・天草一揆(島原の乱」は、苓北町にある富岡城を落城できなかったことで早期終結、徳川幕府の安定をもたらしたといわれている。
その富岡城跡を町のシンボルとして位置づけて今、観光客を誘致し地域を活性化させようという取り組みを町が本格化させている。このほど関西の小規模旅行会社10数社を招待。ありのままの観光素材を見てもらい、感じたままの辛口の意見を聞くモニターツアーを実施した。町内を視察した後には、町民との意見交換、地元高校生による「町観光素材研究発表会」も行われた。
高校生の発表会では生徒9人が4つの班に分かれ、地元の食材を使ったマルシェの開催や、稲穂で描く田んぼアートなど、町の新たな観光振興プランを披露。今は高校生による観光素材の発表は珍しいことではないかもしれない。しかし数カ月前から町の人たちや観光事業者の生の声を聞き、プロの旅行会社の前で独自のプランを発表させたところに熱意を感じた。次世代を担う高校生を含んだ住民参加による苓北町の本気度を実感した旅行会社の全員がエールと拍手を生徒たちに送ったことはいうまでもない。
(トラベルニュースat 22年11月10日号)
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