ヒュッゲの考えを知る
デンマークで心の持ち方を指す言葉として知られる「HYGGE(ヒュッゲ)」。物質ではなく、人と人とのふれあいやリラックスした時間に満たされることを大切にする考え方で、いま欧米を中心に広がりを見せているという。
このヒュッゲの考え方がこれからのリゾートのキーワードになる、という旅館の経営者に話を聞いた。人と人とがふれあい「ゆったり」「まったり」とした時間を過ごし、心を満たすことのできる施設づくりに取り組んでいるそうだ。地域内にある複数のグループ施設もそれぞれの特徴を生かしながら、ヒュッゲに沿った宿にしていく考えを示す。
その上で、自社のグループ施設だけにとどまらず、他の宿泊施設や住民までを巻き込んで、地域まるごとヒュッゲで過ごせるリゾート地という壮大な計画を描く。ぜひ、この計画を進め、モデル地区になってもらいたいと思う。
しかしながらよく考えてみると、日本には本来、ヒュッゲと似たような考え方があったのでないか。宿は旅客をしっかりもてなして、人と人の絆を紡いできたし、旅客も心を満たすことに価値を置いた旅に出ていたように思う。ヒュッゲの考えが浸透することで、日本の旅の原点を見つめ直すきっかけになり、より魅力的な旅が生まれることを望みたい。
(トラベルニュースat 23年5月10日号)
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