旅行社が手数料を払う時代
2018年から旅行サービス手配業の登録制度が始まって、今年で5年。登録制度以前から旅行サービス手配業務を行ってきた「案内所」は、これまで旅行会社のツアー造成のために旅館ホテルや食事・立ち寄り施設などの手配を行い、時間調整も含んだツアーコースまで作成し、重宝がられた存在でもあった。その反面「旅行会社が本来するべきことまでやるのは、いかがなものか。旅行会社から手数料をもらいたいぐらい」と言っていた案内所もあった。]
ところが昨今、旅行会社が案内所に手数料を支払うケースが散見するようになってきた。人手不足もあって現地の知識がない不慣れな社員を抱える旅行会社は、自社でコースを作成する手間と時間をかけるより、案内所に手数料を支払った方が効率的だというわけだ。
旅行業法に旅行サービス手配業は「旅行業を営む者のため、報酬を得て、代理して契約を締結し、媒介をし、取次をする行為」とあるので「報酬」を得ることは国が描いた本来の姿ということになる。海外ランドオペレータ―以外、が旅行会社から報酬を得るのは、従来の商習慣からは考えにくいことだった。これから旅行会社が案内所に手数料を払うことは今の時代、当たり前だったことが刻々と変化していることは肝に命じておこう。
(トラベルニュースat 23年12月10日号)
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