応援割の混乱をプラスに
観光庁は能登半島地震による影響で落ち込んだ福井・石川・富山・新潟4県の観光需要を回復させるため「北陸応援割」の実施を発表した。福井・富山・新潟3県では適用期間を3月16日―4月26日の宿泊分とし、3月8日から各県の宿泊施設や旅行会社などで予約受付を始める。
しかしながら3月7日までの予約は割引の対象外であるため「応援割が始まると発表された途端、2月の予約が軒並みキャンセルになり、3月からの応援割まで延期するということでした。石川県の場合、馳浩知事が石川県だけ応援割のスタートを遅らせると発言したので、3月の予約も入らなくなると思います」と加賀温泉郷の旅館経営者は嘆く。他地域でも同様に、3月7日までに入っていた宿泊予約のキャンセルが相次いでいるという。福井県への送客支援ツアーを企画していた関西の旅行会社は、福井県が応援割を扱える旅行会社を福井・石川・富山・新潟4県のみに限定したことから商品化を断念したとも。
コロナ禍による全国旅行支援の時もそうだったが、国や地方自治体が「応援割」や「復興割」を実施すると必ず現場で混乱が起きる。この混乱をプラスに捉えて、関西と北陸の旅行会社が連携するなど、現場レベルでの応援策を講じる知恵を絞ることも考えたい。
(トラベルニュースat 24年2月25日号)
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