城西館150年の理由
高知県の「城西館」が創業150年を迎え、このほど藤本正孝社長が会長に、ご子息の幸太郎さんが社長に就任する披露会が行われた。
披露会の席上、JTB旅ホ連会長で道後温泉・宝荘グループの宮﨑光彦社長が話した内容が心に残った。宮﨑社長は「日本で百年以上続く企業は約4万社ありますが、そのなかで宿泊産業が残っているのは貴重な存在です。城西館が150年続いているのは、3つの理由があるからではないでしょうか」と語り始め持論を披露した。
一つ目とは、創業からの伝統を守り、発展させてきたこと。二つ目は社員を大事にしてきたこと。三つ目は自館だけの力ではなく、業界や地域に支えられての宿であることを肝に命じてきたこと。
この3つを実行してきたからこそ現在の城西館が繁盛し、150年の歴史を紡いできたという。結びに宮﨑社長は「藤本前社長を越えようとしなくていい。新しい山を築いてほしい」とのエールを送った。
150年かけて歩んできた3つの山を尊び、時には登り直しながら、藤本新社長がどのような新しい頂を目指して山を築いていくのか、そうやって歴史と伝統は紡がれていくものなのだろう。そして、その営みこそが老舗旅館という証なのだ、と思った。
(トラベルニュースat 24年4月10日号)
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