総会にチーム力を見る
観光業界団体の総会の真っ只中で、各団体のトップのあいさつや事業の取り組みを聞いていると、トップがいかにビジョンを持っているかいないかが分かる。
右肩上がりの高度成長期なら時代の流れに合わせて舵を切っていけばよかったのかもしれないが、今の時代はトップの考えから会員が一つのチームになって自ら舵を切り針路を見い出さなければならない時代になっている。
かつては「組織や団体は何もしてくれない。入っていてもメリットがない」と言った愚痴が会員などから聞こえたが、今は運営側と会員が一緒になって問題や課題を考え、知恵を絞って難局を乗り切ろうとしている組織が活発化している。
そういった組織のトップはつねに業界内外の動きをリサーチしていて諸問題を把握し、針路を決めてチーム一丸で課題解決に向けての取り組みを行っている。チームの中核には必ず一翼を担っている若い世代がいる。若い世代が意欲的に取り組めるようトップは心がけているのも特徴だ。年配者と若手の分け隔てなく、組織内の会員同士の関係性の質が高い。
今の時代の中では、会員の数よりも質を求めなければならず、それを志向するトップ次第で組織が活性化していくのを実感している。
(トラベルニュースat 24年6月10日号)
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