尖った商品づくりに挑む
ある旅行会社が数年前、チャットGPTで「旅行会社が今後生き残るには」と入力し検索したところ「個人では造れない特殊な旅行を造れるところ」と出てきたという。
「特殊な」とは漠然とした表現だが、個人では入場できない施設や体験、山登りや街道歩き、非公開の庭園めぐりといった旅行会社が介さないと実現できない商品を造成しようということだろう。
一例として全国新聞旅行協議会の取り組みを紹介すると(25年1月25日号で既報)、購読者減少という地方紙の新聞社の系列旅行会社が連携し、新聞社の読者サービスの一環で地元紙の看板と信用を基に、仕入れることのできない素材や人脈を駆使し、地元ならではの尖った商品を造り、協議会の仲間同士が双方向で送客し合うというものだ。
「地方新聞社のネームバリューがあるから実現できたのであって、我々個別の中小旅行会社では無理」と結論づけてしまえば、それまで。自社で何ができ、そのために地元で培ってきた人脈をどのように生かし、その上で一緒に組める仲間の会社はどこなのか―。知恵を絞って新たな商品を造ろうとする意欲があるのかということに尽きる。とにかく一度、尖ってみて「特殊な」商品づくりにチャレンジしてみる。そして仲間を募ってみてはどうだろう。
(トラベルニュースat 25年4月25日号)
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