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高速道が休日1千円 国内旅行の追い風になるか(2)

値下げは、東京と大阪の都市圏を除く地方の全路線で土日祝日、自動料金収受システム(ETC)を備えた乗用車が利用料金の上限を1000円とする。本州四国連絡橋、東京湾アクアラインも1000円。首都高速や阪神高速は700円区間が休日500円になる。

休日、乗用車限定で今春から

一部区間が大都市圏になる東名や名神高速などは対象外だが、6―22時は3割引。5割引の深夜・早朝割引はそのまま残る。

現在明らかにされているのは乗用車、トラックのみだが、観光バスへの割引料金導入についても検討している。

発表後の報道でよく例に出ていた青森―鹿児島は地方路線の上限1000円に、大阪圏の名神高速1500円を加えた2500円で走れてしまう。従来だと約4万円かかった。

現実的な想定では、大阪から明石海峡大橋、大鳴門橋を使って四国へドライブしたとすると、阪神高速の須磨までの850円に1000円プラスしただけで四国へ行ける。

四国のある宿泊施設経営者は「週末はかなり賑わうことが予想されるが、四国島内での競争も激しくなるかもしれない」と話す。

実際の効果はどうなのか。値下げ案をまとめた高速道路会社の計画書に記載されているアンケート結果では、上限1000円によって日帰り旅行で49%、宿泊旅行で32%が「増えると思う」と回答。回答者の平均年間宿泊数5・2泊を6・3泊に押し上げると推計している。

また、ETCを活用した周遊プランを「速旅」と銘打ち旅行需要の創出にいち早く取り組んできた中日本高速。昨夏、ガソリン代が高騰していたにも関わらず、東海北陸道の全通効果などで利用が増えたという。同社では「大手旅行会社とタイアップした結果、速旅の露出が増えたことが大きかった」としている。

今回の上限1000円も、ある意味で地方から都市圏にアピール、周知を図る方策が必要なのかもしれない。

一方、鉄道会社やフェリー会社は危機感を募らせている。「びっくりした。現在対応策を検討中」(鉄道会社)、「不公平だ」(フェリー会社)。

同様に、今回の取材で「マイカー移動を促し温暖化対策に逆行」「交通費は1000円で、宿泊代は定額給付金という『ばらまき旅行』か?」という声も。ドライブ旅行は増えそうだが、本質的な観光需要喚起策につながるのかは不透明だ。

(トラベルニュースat 09年1月25日号)

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