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地域観光資源の活用を 中小企業庁が支援事業(2)

京都市中京区の二条城に近い、町家が並ぶ一角にある「丸益西村屋」。滞在型観光客向けに設定した京友禅染め体験の開発が08年2月、近畿地方では初めて、観光資源活用の事業計画に認定された。

新事業の開発促す 補助率は3分の2

京町家独特のウナギの寝床になっている一番奥に工房があり、東京から来たという女性が京友禅染めをやっていた。1週間ほどの滞在期間中、毎日工房を訪れているそうだ。しばらくすると、外国人のグループがやってきた。聞けば、フランスからだという。やや年配という感じだったけれど、皆さん自転車に乗って颯爽としている。

彼らは、京友禅染めのコースターづくりを始めた。京都市立芸術大学の外国人教員や留学生の協力で作成した外国語表記の説明書や、英語を交えてスタッフが説明している。花や金閣寺など京都らしい型紙に合わせて染めていく。皆さん結構夢中だ。完成して「トレビアン」と声をかけると、ニッコリ笑ってウインクを返してくれた。

西村良雄社長は「従来から、修学旅行向けに体験をやってきましたが、修学旅行は一時に偏り季節波動も大きい。そこで京町家という空間で伝統産業を体験する"ほんもの感"を新サービスとして提案しました。職人との触れ合いも付加価値と考えています」と話す。

今後、完成まで一定の時間がかかる浴衣の京友禅染めなどを市内観光関係者と連携しながら滞在型観光プログラムとして定着を図っていく。

上京区の京町家では、実際に暮らしている家庭で日本文化に触れるプログラムが行われている。外国人観光客の通訳業を行ってきたワックジャパン(小川美知社長)が、京都の暮らしと伝統文化体験を融合した新サービスとして始めた。住民をインストラクターやアテンドとして養成し、地域の茶道や着付け、華道教室をネットワーク化している。

中小企業庁では現在、支援事業を募っており、2千万円を上限に事業費の3分の2を助成するなど支援を行う。

(トラベルニュースat 09年4月25日号)

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