泊まりたい=「働きたい」(2)
井上部長はあいさつで、「NHKの大河ドラマ『龍馬伝』が始まりました。混迷の時代に気概と志を持った青年が大きな仕事を成し遂げる物語です。私たちも、今期、青年部活動のテーマである誇り、絆、友情を大切に、この1年しっかりがんばりましょう」と年初の抱負を述べた。
全旅連青年部が県部長サミット 魅力ある旅館は・・・"職場力"の向上から
今回のサミットは、主に宿の地位向上委員会が担当。旅館に「泊まりたい、働きたい、経営したい」をテーマに、職場力の向上や、大学生を対象にしたキャリア教育の受け入れなどを研修した。
職場力については、リクルート出身者が設立した旅館経営コンサルタント会社、オブリージュの末永栄一さんが青年部旅館を対象に行ったアンケートを基に解説。「職場の魅力が旅館の地位を向上させる」「じゃらんの口コミ評価と旅館従業員の職場力評価は一致している」「職場力が、旅館が継続的に収益をあげる土台となる」などと、職場力を高める必要性について話した。
職場力調査アンケートは経営者、従業員双方を対象に行い、45施設710人から回答を得た。
「自分の意見を気軽に発言できる」「職場の一員として公平に扱われている」「自分から考え行動している」「成果を出せば認められる」「この職場にいると楽しい」などについて「当てはまる」から「当てはまらない」まで5段階で評価してもらった。
アンケートの結果から、末永さんは「従業員と経営者の職場力評価はほぼ一致していました。職場力をつくるのは従業員の満足度と経営者のリーダーシップです。従業員の安心感、達成感、連帯感が職場力を決めます。リーダーシップを発揮し、職場力を作り上げてください」と呼びかけた。
キャリア教育については宿の地位向上委員の斎藤宗治さん(長野県鹿教湯温泉・斎藤ホテル)が、青年部員と大学のゼミ学生が行った合宿の様子を中心に紹介した。合宿は1泊2日で行い、温泉地や旅館の見学、青年部員との意見交換のあと、学生に宿泊プランづくりを体験してもらった。合宿後のアンケートでは、旅館に対するイメージがアップした学生が多かった(本紙1月1日号に既報)。
斎藤さんは「今、旅館で働いている人、これから働く人の旅館に対する評価を高めたい」と活動の目的を説明した。
学生に職業選択の準備をさせようと、キャリア教育に力を入れ始めている大学や高校が増えている。
ゼミ担当教授は「学生に社会体験をさせたがっている教授は多い。旅館は地元大学との連携を強め、インターンシップやワークショップの場に学生を受け入れてほしい。地域問題を体験することが、地域から人材を逃がさないことにつながります」などと指摘していた。
(トラベルニュースat 10年1月25日号)
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