スポーツ観光で日本を変える 溝畑観光庁長官(3)
観光庁ではスポーツと観光の相互乗り入れ策として、(1)観光庁ウェブサイトでのスポーツ開催状況の集約と告知(2)スポーツ関連団体や企業が会する「スポーツツーリズム推進連絡会議」の設置―などの策を準備している。
連絡会議設置し海外PRも
溝畑長官は「すでにプロ野球のコミッショナーとも会いました。オールスターゲームや日本シリーズでプロ野球観戦観光キャンペーンをやりたい。アイスホッケーアジアリーグの決勝戦会場(韓国)には日本の観光案内ブースを設けます」。
海外への日本のスポーツ情報発信やチケット販売システムの開発・支援、スキーなどレジャースポーツの中国へのPR、スポーツ観光に取り組む自治体への側面支援、国際大会の誘致にも取り組む。
スポーツ目的定番の欧米 地域が自立できる仕組み必要
2部ではスポーツ観光の実践や海外事情についてパネリストが紹介した。
JTB地域交流ビジネス推進部の加藤誠部長は、スポーツ観光の可能性を示す数字として、イギリスでは旅行目的の20%がスポーツ参加、カナダでは37%、米国では50マイル以上移動する大人の旅行の38%がスポーツ目的だと紹介した。
国内では2008年に徳島県と共同で計画し初開催した徳島マラソンが、参加者5900人、観客2万5000人、ボランティア3000人が参加する盛況だったと報告した。
また、スイス・ツェルマット観光局の山田桂一郎さんは、スポーツ観光の結果をどこに置くかが大事だと話した。
「地域住民がスポーツを楽しんでいるか、ライフスタイルとしてスポーツが根付いているのか。ちなみに人口5700人のツェルマットには金メダリストが3人もいます。それらを前提に、スポーツ観光に訪れた人にお金を落としてもらい、そのお金を地域で回し、地域が持続可能に自立することが大事。そのための仕組みがツェルマットにあります」
ボランティア参加も多い。
(トラベルニュースat 10年3月10日号)