全旅連青年部次期部長に横山副部長(2)
次期青年部長には横山・副部長と森晃・全旅連青年部政策会議議長(長野県野沢温泉・旅館さかや)の2人が立候補した。1969年の創設以来初の選挙は、47都道府県部長の投票で行われ、横山さんが25票を獲得し、21票の森さんを抑えて当選した。
史上初の選挙で選出 "夢"訴え25票獲得
横山・次期青年部長は当選後のあいさつで「森さんの立候補で、自分が青年部長としてやりたいことを、より明確にすることができました。最高のチームをつくり2年間を演出していきます。責任をもって青年部長を仰せつかります」とあいさつした。
横山さんは2期4年連続で副部長を務めるなど青年部内での知名度も生かしリードを守った。井上部長の任期が終了する11年4月の総会で正式に就任する。高知県からは初めて、四国からは2人目の全国部長となる。
選挙では、それぞれが立候補の所信を各15分間ずつ発表し、投票を呼びかけた。
横山さんは「疲弊した旅館業界にあって、もう1度わくわくする夢をたくさん打ち出したい。この世にある形あるものはすべて誰かが夢描いたモノなのです」と話し、「ドリーム旅館プロジェクト」と称して、夢を語り、夢を打ち出し、「夢の実現に取り組みます」と抱負を述べた。
また、時代にあった政治活動、環境問題への取り組み、ネット上のクチコミ対策、日本学生観光連盟との連携を進める考えを示した。
一方、森さんは「旅館業界が生き残るために、青年部の力で日本の観光の形を変えたい」と話し、観光のパイを増やすための取り組みに力を入れようと訴えた。
観光立国推進基本計画の目標数値である国民1人あたりの年間宿泊数4泊と訪日外客3千万人が実現すれば、年間の国内宿泊需要は現在の2倍を上回る5億7千万人泊に増える。こうした数字を示しながら「政策で観光の環境は大きく変化します。目標達成にはいい政策が必要ですが、例えば現行の休祝日高速道路料金、休暇制度の見直し案は、旅館業界にプラスではないと思っています。できあがった政策を教えられる立場から、アイデアを提示する側に変わる必要があります」などと話し、方向性を明確にした研修などを通じて、政治や行政に政策提言できる青年部を目指すと表明した。
選挙に先立ちあいさつした井上・全旅連青年部長は「エコカー、エコポイントなど国の補助事業に個人消費が集中し、お金が観光に回ってきていません。今日は、青年部初の選挙です。どちらに業界の未来を託すかを真剣に考え投票していただきたい」と話した。
ホテル加え名称変更 全旅連青年部
全旅連青年部は臨時総会で定款上の名称を「全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部」に変更した。英語の名称は「All Japan Ryokan Hotel Association Junior」。略称のAJRAは従来通り。
親会である全国旅館生活衛生同業組合連合会が今年6月の総会で、名称にホテルを加えた「全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会」に名称変更したのに伴うもの。