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スポーツ観光定着へ 観光庁がモニターツアー事業(2)

スポーツ観光モニターツアーは昨年12月29日から1月11日まで公募し、応募のあった29件のうち20件が第1次モニターツアーとして決まった。

マイナー競技と連携も 地域活性化にも期待

ツアーの内訳を見ると、いわゆるマイナースポーツに関連するツアーが目につく。サッカーJリーグに端を発した地域密着を掲げるプロリーグの開設、チーム発足が「スポーツ観光」にも門戸を開くことになったのだろう。

香川県高松市ではバスケットボール・bjリーグの高松ファイブアローズの試合観戦と選手との交流と市内アートスポットめぐり、栃木県ではアイスホッケー・HC日光アイスバックスのファン感謝デーと日光観光など、選手やスポーツとのふれあいと地域観光を組み合わせている。

メジャーなプロ野球でも、いち早く地域密着球団経営を打ち出した福岡ソフトバンクホークスと福岡市内のまち歩きが選ばれている。九州新幹線の全線開通というトピックをスポーツ観光に転換させた好例と言えるだろう。

「見る」だけではなく、冬のオリンピックで人気を集めたカーリングの体験を目玉にしたツアーが女子トップチーム「チーム青森」のホームタウン青森市や北海道で行われる。広島県世羅町では、全国高校駅伝の強豪校の世羅高校のトレーニングコースを実走するツアーも。さらに、千葉県の南房総ではプロレスラーと一緒に体力づくりという、日常では体験できないスポーツを観光コンテンツとして打ち出している。

今回のモニターツアーではないが、南海国際旅行が1月に実施した「栄光の南海ホークス日帰りツアー」は大盛況だった。いまだに好きなプロ野球チームを聞かれ「南海」と答えるオールドファンが非常に多く、往年の名選手が同行するツアーにファンはたまらなかったようだ。募集開始直後に定員70人に達し、アニメに限らずスポーツにも「おたく」需要は存在していることを示している。

これまで日本のスポーツ界を支えてきた企業スポーツの存続が危惧される中、地域密着や地域連携を掲げて観光との融合を図ることはスポーツ界、観光業界、地域にとって今後に大きな期待を抱かせるのは間違いない。沖縄県や鳥取県をはじめ各自治体でもスポーツ観光に本腰を入れる体制を整えだしている。

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