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業界一丸で初動 東北地方太平洋沖地震(2)

国際観光旅館連盟(国観連、佐藤義正会長)、日本観光旅館連盟(日観連、近兼孝休会長)、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)の旅館3団体は、地震に対し結束して対策に乗り出している。

旅館3団体が結束 被災者受入や雇用

被災した旅館ホテル数は未だ明らかでないが、旅館ホテルでの被災者受け入れをはじめ、休業などが余儀なくされた施設の従業員の緊急雇用などを計画。3月14日、大阪市内で開催された緊急対策会議には国観連と全旅連の役員らが集まり、「国内観光の存立が問われている」(国観連・西村肇副会長)、「未曾有の危機に立ち向かおう」(全旅連・小原健史顧問)とする状況への対処策を固めた。

東北や関東各県で50万人以上が避難者とも報じられている中で、旅館業界として10万人を受け入れるよう準備。

また、金融機関の返済猶予や緊急融資、社会保険や税金などの免除、軽減を金融庁などと交渉している。3月末で期限切れるセーフティーネット貸付などに関して期間延長を求めることや、長期休業が予想される旅館ホテルには休業期間中の失業手当の給付と90日間が上限の受給期間の延長も要望している。

旅館業界の義援金は全旅連青年部に一元化する。全国の旅館関係者から募り、使途は被災地の旅館支援に限定する。経営者は1口1万円をメドとし、従業員は何円でも構わない。強制はしないものの「特別義援金」として理解協力を求める。

さらに、被災した旅館ホテル従業員の緊急雇用を計画している。すでに国観連近畿支部や全旅連九州ブロック、長野県内の温泉地などが受け入れを表明。今後、国観連近畿支部青年グループが受け入れガイドラインを作成し、社員寮や社宅の有無などの情報を開示し、接客や事務や調理など職種ごとに募集する。小原さんは「家を失った従業員も多い。生きる希望を与えたい」。

(記事の内容は3月20日現在のものです)

旅行業団体は 緊急融資や支援 ANTA、国に求める

全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)では、木村茂男副会長を本部長とする地震対策本部を3月12日に設置。16日には東京都内で理事会を開き、緊急融資や支援を国に求めていくなど対応策をまとめた。

被災した会員には再建支援、会費の減免を行う。本部から義援金を拠出するほか、会員にも募金を呼びかける。二階会長は、直接的な被災地でなくても風評被害などによる経営状況の悪化に懸念を表明。観光庁やJATAとも連携し「今こそ旅行業界が力を合わせ難局を乗り越えよう」と会員を鼓舞した。

理事会では、4月26―27日に富山県で開く「第8回国内観光活性化フォーラム」について予定通り開催することを決めた。

日本旅行業協会(JATA、金井耿会長)は、国内・訪日旅行業務部が中心となって情報収集に当たっている。東北地方を旅行中だった客の安否確認、会員の被災状況などを観光庁と連携し調査している。

なお3月18日現在、JATA会員は岩手県内22社のうち2社と連絡が取れず、ANTA会員は岩手県で3社、宮城県では30社あまりが確認できていない。

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