フェイスブック問題が波紋 じゃらんに宿泊業界反発(3)
こういった一方的な手法をとった背景に、リクルートが旅館ホテルと交わしている契約約款21条があることも問題視されはじめた。
不平等な?契約条項
21条は「じゃらん内に存在するすべてのデータをほぼ無条件に第三者に対して提供できる」「情報の提供に際し施設に事前通告する必要も一切ない」といった事前通告なしで外部サイトに対して自由自在に利用・流用・加工できてしまう条項であることがわかったからだ。
実際じゃらんnetが昨年12月、一方的に送客手数料の値上げに踏み切ったことに対して、宿泊業界は一斉に反発の狼煙を上げたが21条に阻まれた経緯がある。
全国旅館ホテル衛生同業組合連合会(全旅連)は「契約時に21条でこういう解釈ができるとは思っていなかった。このままでは消費者に誤認を与えることもある」との見解で、不正競争防止法に抵触する可能性もあるとして、21条の訂正を要望する内容証明を近日中にリクルートへ送付する。また、他のネットエージェントに関しても監視を強める方針だ。
国観連はページ削除を要請
国観連近畿支部に次いで、7月末には滋賀県旅館ホテル生活衛生同業組合加盟旅館も会員旅館の掲載削除をじゃらんnetに求めた。
国観連本部も各支部単位で今回のフェイスブック問題に対しての説明文を送り、ほぼすべての会員旅館から了解を得て、契約のある会員旅館のページの削除を要請。8月5日に削除された。
日本観光旅館連盟(日観連)も何らかの対応を検討している。
こういったリクルートの姿勢に対して共同通信や一般紙などのメディアも取り上げ、この問題はこれからも波紋を広げそうだ。