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中国人観光客を都市活力に 旅游都市シンポジウム(2)

大阪商工会議所が新しい成長戦略プランとして「千客万来都市」を掲げて、中国を中心とするアジアからの集客を目指している。その重点施策がショッピングによる消費拡大で、春節に合わせて「関西メガセール」を実施。外国人が買い物をしやすい環境を作ろうと、中国語ガイドシートの作成やボランティアの道案内、商店街での特典の設定などを行っている。

千客万来の春節 大阪商議所、ショッピング消費促す

その裏づけになっているのは、急伸する中国人訪日観光客の増加であり、他国の外国人に比べて日本国内でのショッピング消費の多さ。観光庁の調べでは中国人訪日観光客は1人あたり他国の倍以上の8万円以上を買い物代として落としている。

大阪市内に心斎橋店と梅田店を持つ大丸松坂屋百貨店の山本良一社長も「国内市場は縮小し消費マインドも低下している。日本を抜きGDP世界2位に躍進し、2020年には1億人が世界へ旅行すると言われる中国人の存在感はますます大きくなっている」と指摘する。

大丸松坂屋百貨店では11年3―10月の名税売上実績で、グループ22店のうち心斎橋店が5億3千万円で1位、梅田店が1億3千万円で3位につける。震災と原発で首都圏が敬遠されているとしても、直線距離でわずか3キロ程度の2店が1、3位に入っている。

山本社長は、その要因を「バラエティーに富むまちの魅力」とみる。商店街と同居する心斎橋店は特に顕著で、世界でも例を見ない立地は「商店街ともっともうまく共存している百貨店」という。実際、心斎橋店の10年の1年間の免税売上は12億円を突破し、グループ全体の2%超まで達した。

銀聯カードの導入や通訳スタッフの採用などを充実させる一方、中国人観光客もFIT化が進む中で「接触ポイントをいかに増やすかが大事」。そのため、山本社長は「店に来てもらうために近隣ホテルや商店街などとの連携は欠かせない」「ブランド品などが短時間で買いやすいよう店内買い回りマップを作成したい」などと話した。

シンポジウムで、日本政策投資銀行(当時)の藻谷浩介さんは「人数を増やすことと、売上は比例しない。客単価をいかに上げるか」に注力するべきだとした。

関西2府4県の商業施設の売り場面積はバブル期で1647万平方メートルだった。それが現在では2522万平方メートルにまで拡大しているものの、全売上は逆に1割ダウンしている。あげくディスカウントを繰り返すさまは「ハワイに対するグアムのようなもの」と喩えた。訪日外国人の数を追い求めるのではなく「大阪に行かないと手に入らない本物。100人のうち1人でもちゃんと分かる、その分野でトップクラスを提示するが外国人客に選ばれる観光地になることだ」。

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