バス旅行の安全強化 旅行業法改正(3)
今回の改正については未だ通知が徹底できていない状況だ。複数の旅行会社に尋ねても「初めて聞いた」という人が多い。インターネットの販売が主の高速ツアーバスは、広告表示に対応している会社は多いが、パンフレットなどで募るバスツアーでは不記載のケースは少なくなかった。
旅行会社への周知が課題
近畿運輸局によると、旅行会社に書面を求めると困惑されるというバス会社の声が何例か寄せられているという。
記者の取材で初めて聞いたと答えた旅行会社社長は、お客様の安全確保は大前提とした上で、「規制緩和で貸切バスへの参入を大幅に増やし、一部の不良会社の存在で一転強化する。今回の改正は真面目にやっているごく普通のバス会社、旅行会社にとってはとばっちりをくらったようなもの。机上で決めているだけのような気がしないでもない」。そう言って、3年間も書類を保管するスペースがあるかなぁと、ため息をついた。
今回の改正は、特に都市圏における貸切バスの乗降場所の確保などインフラ整備が追いついていない状況もある。アジアからの観光客とおぼしき団体客が路上でバスを乗降するのを見ると、観光立国はまだまだ途上だ。