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業界浮上のカギ見出す じゃらん宿泊旅行調査から(4)

都道府県別の旅行実態も見てみよう。延べ宿泊旅行者数は東北や関東をはじめ東日本は軒並み数値を落としたが、九州新幹線全線開業効果で九州は前年より109万人増とほぼ"一人勝ち"。全体的に西高東低だが、中四国、沖縄が減少したのは九州へ旅行者が流れた影響だろうか。

九州筆頭に"西高東低"

延べ宿泊旅行者数の「増加数」は1位兵庫県、2位熊本県、3位愛知県。「増減率」は1位熊本県、2位岡山県、3位滋賀県と西日本が強い。新幹線の熊本県は当然としても、B級グルメが話題の岡山県、大河ドラマ「江」の滋賀県が上位に顔を出していることについて、横山さんは「ソフトコンテンツが集客のレバーになっていると感じさせる結果」という。

延べ宿泊旅行者数上位の顔ぶれは例年とほぼ変わらないが、やはり東日本各県は軒並み数値を落とし、西日本では増加した。東京都が1453万人でトップだが、同44万人減。2位は34万人減の北海道944万人で、反対に福岡県は同11万人増の457万人で10位にランクインした。

テーマ別に都道府県の魅力度を図ったランキングを見ると、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」では1位がカツオの高知県、2位が独特の郷土料理の沖縄県、3位が魚介類の北海道。地元ブランドやご当地グルメを求める傾向が強い。

今年も沖縄県が強く、「魅力ある特産品や土産物の多さ」「地元の人のホスピタリティ」で1位で旅行者の満足度は極めて高い。

今回の調査から、旅行先への「期待」と「満足度」の差を評価する指標も取り入れた。「食」と「宿」は期待値が評価値を下回り、両要素のコントロールが必要と分析。「地元の人のホスピタリティ」「現地で入手できる観光情報」は評価値が期待値を大きく上回ったことも特徴的で、横山さんは「期待はしていないけど満足度は上げやすい。こういったソフト面の開発に取り組まれては」と提言していた。

調査は4月に2回実施。1次調査は、全国の20―79歳の男女を対象に、8万件の回収数のうち2万件を抽出して集計した。2次調査の有効回答数は1万5711件。

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