全旅連青年部・部長対談(4) 仲間の宿に"愛のダメ出し"
―震災対応以外ではどのような活動ができましたか。
横山 僕は、昔から異業種とのコラボやメディアへのアピールは得意です。そのことで、普段は縁の下の力持ち的な存在の財務委員会で面白い事業ができたと思っています。例えば第一興商と青年部とのコラボレーション「DAMでうたわナイトキャンペーン」は、それぞれの特性を活かしたいい企画でした。前回の島根の全国大会の中で直接お話をしたことで、青年部にすごく興味を持っていただいた結果です。
山口 我々副部長は部長の得意ではない部分を補うという明確な役割がありました。私が副部長として担当している旅館アカデミー委員会も部長の肝いりでできた委員会で、若手経営者の登竜門的委員会という位置づけです。私たちは自分の旅館に就職するとすぐに常務や専務です。しかし、自分もそうでしたが経営者としての準備ができていない場合が多い。そこで委員会では予算書や月次決算書の作成法などを勉強していますが、旅館経営は面白いという動機づけも重視しています。そこで取り入れているのが仲間の旅館を視察して愛のダメ出しをする「ハードラブレター」事業です。館内の視察見学後に手紙を書いて、その宿のいいところ、悪いところを読み上げます。すでに10軒以上が対象になっています。部長の宿にもお邪魔しないといけませんね。
―全旅連青年部はどんな場所ですか。
横山 後輩にとってはあこがれ、気付き、きっかけを見つける場です。先輩にとっては、今は僕たちがそうですが、それを魅せる立場です。先輩として背中を魅せ、格好よさ、人としてモテるところを見せたいですね。青年部という場で、日々、人に出会うことの大切さを感じます。全国どこに行っても旅館がりメンバーがいて、朝まで語り明かせる。こんな業界はどこを探してもありません。最高の出会いの場所が青年部です。
―観光業界のなかではどんな存在でしょう。
横山 特に震災後は存在感が増していると思います。震災後、観光庁に観光関連業界が一堂に集まったことがありました。僕は旅館の青年部代表としてできるだけ発言しました。被災地の状況も含めて、とにかく旅館業の現状について発言しました。それがよかったのか、復興支援以外の観光業界の活性化についても意見を聞かれる機会が増えました。