イントラバウンド予算を 観光庁13年度概算要求(2)
観光庁の13年度概算要求はこうだ。「訪日外国人3千万人プログラム」以外には「観光を核とした地域の再生・活性化」に前年度比123%の3億6700万円▽「観光産業の再生・活性化」が同118%の2億100万円▽ワークライフバランスの実現に資する休暇改革の推進」は同36%の2900万円▽「観光統計の整備」は同44%の3億9千万円▽「その他(経常事務費など)」が同105%の2億9600万円。別に復興枠として、東北地域の対策事業3億円や福島県の観光復興支援事業7億2100万円、災害時の訪日旅行者のあり方調査に5200万円となっている。
9割弱がインバウンド 88億円に
国内観光振興に関しての予算は、復興枠を別枠とすると総額で12億8300万円。その額は12・7%になる。「その他」を加えた数字でだ。
これは、訪日3千万人の枠で計上されている日本政府観光局(JNTO)運営交付金18億5900万円にも及ばない。
しかも、国内関連の予算のうち、新設された「観光地域ブランド確立支援事業」2億4500万円は、観光地域づくりプラットフォームを持つ観光圏が対象なので限定される。これを「その他」とともに除外し、積算すると7億4200万円まで目減りし、今回、重点要求枠として掲げた「東南アジア・訪日100万人プラン」の5億9900万円といくらも違わない。同プランは、韓国や中国、台湾など特定市場に依存し過ぎないよう新設したもので、それはそれで意義あるものなのだが。
何が問題なのか。匿名を条件に憤る観光業界関係者は次のように話す。
「人口が減少し高齢化が進む中で、外国人を呼んでこようというのは大切です。でも、旅行市場の現状は日本人に支えられているんです。災害や政争で乱高下を繰り返すインバウンドに偏り過ぎるのは危険。もう少しバランス良くできないものでしょうか」