四国を売るぞ!(2) 4県の「宝」を旅行商品化
「き・ら・り」シリーズはこれまで、11年3月の石川県を皮切りに、三重県、北海道、長崎県で展開してきた。設定当初は東日本大震災と重なり、送客面では苦戦したが、地域や協定旅館などと連携した取り組みは一定の成果を収めてきた。
地域を元気にするプロジェクト 仁淀ブルーや奥祖谷も設定
このうち12年9月―13年3月に実施した「き・ら・り長崎」は、長崎県全体の送客人員が2社合わせて前年比122%、販売高130%と長崎県観光の振興に寄与した。特に、関西発が好調で人員137%、販売高144%を記録した。
第5弾の「き・ら・り四国」は、その意味で満を持してのスタート。四国ツーリズム創造機構、JR四国、4県および市町村のバックアップを得て、四国の宝を見直しクローズアップする旅行企画をラインナップした。
4月22―23日には大阪、名古屋、東京で近ツーと日本旅行の社員やマスコミを集めた販売促進説明会を開いた。
約70人が参加した大阪会場では、はじめに近ツー個人旅行の田中雅彦取締役が「4県でいろんな素材を開発していただき、私たちが売れる状態に仕上げてもらった。しっかり販促に取り組まなければならない。四国を売るぞ!」と檄を飛ばした。
コースは、個人型観光周遊プランの全12コース。いずれも道後温泉やこんぴら温泉郷などメジャーな宿泊地、JR主要駅を起点とし、個人参加者に分かりやすいよう設計した。
「祭」は徳島阿波おどり、高知よさこい祭りの2つで、阿波おどりに参加体験することもできる。「自然」は7コース。テレビ番組で特集された高知県の仁淀川、個人ではなかなか行くことができない徳島県の奥祖谷などを設定した。お遍路のプチ体験とさぬきうどんの「食」コース、瀬戸内国際芸術祭を見学する「芸術」コースなどもある。いずれも2人からの出発保証で、1泊から2泊の設定。
また、個人周遊を促すためJRをセットしているほか、四万十・足摺エリアの周遊バス、足摺と道後温泉を結ぶ周遊バスなども用意している。JR四国では、通常運賃より約8割安い「スペシャル乗車票」をJR利用の旅行商品限定で設けている。
参加者特典としてオリジナルクーポンブックを配布する。さぬきうどんなどご当地グルメや、レンタサイクル、体験観光など4県50カ所以上で使える。仁淀川、奥祖谷は特別オプションとしても設定している。