会員メリットを追求―近兼・日旅協会長に聞く(3) 魅力ある宿、地域、国づくり
―観光庁との連携は。
人材の確保と育成が課題
数多くの施策を実行していく上では関係省庁、関係団体など官民挙げての連携が重要です。多くの省庁で農業、健康、教育など目的に応じて地域の観光振興や活性化への取り組みが進められていますが、観光庁を中心に連携の舵取りをしていただく中で総合的な地域活性化の促進、国内観光とインバウンドの振興を進めてほしいと思っています。
観光庁との連携だけでなく、関係省庁との連携も大事だと考えていますので、その点についても積極的な推進をお願いしていきたい。
―会員へのメッセージをお願いします。
新しい旅館団体として昨年10月にスタートしましたが、事業についてはまだまだ検討中であるのが実情なので、まずは全会員共通の目的に向かい一体となって進んでいくことが重要だと捉えています。会員のために何ができるか、メリットをつくるかという視点は大事ですし、その施策は考えていくにしても、日本旅館協会の存在を観光業界全般に知っていただくためのPRができていないようにも思えます。まず存在を知っていただいて、地域の観光振興において中心的な存在として活動できる団体を目指したいと考えています。
旅館業の将来を考えると、最大の課題は人材の確保と育成です。旅館業は家業から発展している場合が多く、おもてなしの向上はもちろん、経営の改善と強化を行うためにも優秀な人材が必要です。優秀な人材を確保できていなければ事業の継承もできなくなりますので重要課題です。地域の発展があって初めて我が宿の発展があるという言葉があります。しかし我が宿の発展なくして地域の発展がないというのも事実です。要は我が宿の発展が地域の発展を支え、地域の発展は国の発展につながるという意識が大事だと思います。
各支部連合会や支部の活動を活発化させ、関係団体と連携しながら魅力ある宿、地域、国づくりに努力したいというのが率直な感想です。会員の皆さんの協力とご支援をお願いします。