復調の13年「観光番付」(4) 課題解決と新トレンドに期待
前頭筆頭には、旅館業界を揺るがした「耐震改修問題」と来春に導入される「消費税8%」。いずれも今後の動向、消費者マインドへの影響を引き続き注視しなければならないだろう。
話題と問題をいかに生かすか
食品偽装の一方で「和食の世界無形文化遺産登録」は明るいニュース。本物の和食を目的とした日本観光の活況を期待する。
ドライバーの拘束時間や走行距離を定めた「貸切バス新基準」は、バスツアーに影響を与えた。ツアー代金のアップ、ドライバーの不足、旅行客の視線が厳しいといった声も聞かれた。
着地型旅行の振興を図る目的で「地域限定旅行業」が登場。周知不足、第3種との違いが不鮮明なのか思ったほど登録業者数は増えていない。
今年も天災とは無縁ではなかった。豪雨、竜巻などが相次いだ。山口、島根県では地域の観光シンボル・SLやまぐち号が復活の汽笛、京都・嵐山はいち早く立ち直ったのが不幸中の幸い。
「歌舞伎座」は4月に新装開業し、年内に100万人の動員が見込まれている。「今年最大の東京観光スポット」(楽天トラベル)。
アベノミクスの影響か、プチぜいたく志向の受け皿になったJR九州の「ななつ星」。シニア層をねらった新たな旅の提案は、JR東日本やJR西日本でも計画中とか。各地に続々と「しまかぜ」「おれんじ食堂」などの観光列車が登場したのも今年の大きな話題。
首都圏では、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互直通運転したことが旅行者の流動性を高めた。楽天トラベルのGW期間における埼玉県の予約人泊実績は前年比52.4%増と大きく伸びた。
大阪では、JR大阪駅に直結する「グランフロント大阪」が一躍観光スポットに。来年には高さ日本一の超高層ビル「あべのハルカス」もグランドオープン。大阪の復権につながればうれしい。