ムスリムを呼び込め(2) ホテルグランヴィア京都に学ぶ
JTB協定旅館ホテル連盟西日本支部連合会はこのほど、京都市下京区のホテルグランヴィア京都でムスリム観光セミナーを開いた。旅館ホテル関係者ら約70人が参加、急増するムスリム訪日観光客への関心の高さを示した。
日本への関心高い半面、習慣理解を不安視
セミナーは、昨年6月に西日本のホテルで初めてローカルハラル認証を取得したホテルグランヴィア京都の池内志帆さんが講師。認証取得に至った経緯、食事や礼拝などに配慮した受け入れ態勢づくりなど同ホテルの取り組みを話した。
年率5%前後で成長を続けるムスリム旅行市場に目をつけた池内さんたちがターゲットにしたのは中東。それも観光地として急伸するドバイを有するアラブ首長国連邦だった。
「観光で成功した国なので、富裕層を対象にした旅行会社が多いんです。実際、彼らは5、6人から20人の一族郎党で旅行します」と市場としての有望性を感じた。
現地で聞き取り調査をしてみると、日本は治安がよく街がきれいで食事や歴史文化の評価も高かった。何よりメイド・イン・ジャパンへの信頼が厚く、日本に対して非常に興味を持っていた。反面、欧州諸国に比べてビザの取得に時間がかかり、食べ物がハラルであるかどうか、ムスリムの習慣を理解してくれるかを不安視していた。