拍手"決済"―全旅ペイメントがスタート(2) 高利便性、手数料1.3%
4月1日夕刻、全旅西日本支社の電話が一時鳴り止まなかった。その直前、全国のANTA会員5500社に「全旅ペイメント」の案内を一斉に送信。その問い合わせの電話だ。
利便性を高めるスキームづくり
「クレジットカード決済で普通2―3%の決済手数料率が1.3%ですし、店舗・営業先問わず決済ができる利便性が反響の大きさに表れたのだと思います」
こう話すのは、全旅西日本支社の中森万登支社長。昨年春ANTA会員から受けた相談をきっかけに、カード会社や決済処理代行事業者と交渉を重ね、ANTA会員の利便性を高めるスキームづくりに取り組んだ。
クレジットカードの包括契約スキームは様々な形態があるが、旅行会社側が主導権を握れるようなスキームを取り入れるには、それに付随する多くの業務を自社で行わなければならない。そのため、全旅ではANTA会員への精算業務や営業、宣伝活動などを自社で取り組むこととし、1.3%の低手数料率と決済処理費用無料を実現させた。精算業務はクーポン事業で培ったノウハウを生かしたという。
現在、ANTA会員の年間売上高は総額で1兆円を超えており、このうちクレジット決済は1割にも満たないと推定されている。中森さんは「金融機関側はANTA会員のポテンシャルを認めています。決済システムを簡便にすることで市場が拡大するとみています」と話す。