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震災から3年-「感謝と備え」を(2) 東北6県が力結集

―全国大会を宮城県で開催する経緯を教えてください。

佐藤・全旅連会長(以下、会長) 全旅連の全国大会は今回が92回目ですが、1度も開催していない県がいくつかあります。宮城県もその1つでした。宮城県に手を上げていただき嬉しく思っています。震災から3年というテーマを持ちながら宮城県をはじめ東北6県が全国大会に力を結集していくことはとてもいいことだと思っています。

損害賠償問題で一つに

佐藤・宮城県理事長(以下、理事長) 東日本大震災もきっかけです。震災時に被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県に対し、全国の旅館の仲間から3千万円を超える浄財をいただきました。こうした支援に対して、どのようにお礼をすればいいのかを考えたとき、全国大会が最もふさわしいステージだと思い、震災の年には全国大会の開催地として手を上げることを決めていました。

会長 震災後、東京電力と観光業の風評被害についての損害賠償をめぐり厳しい協議が続きました。福島、茨城、栃木、群馬の4県は当初から損害賠償の対象となりましたが、その他の県は風評被害による損害賠償が認められなかった。この間、全旅連は北海道から静岡まで風評被害があったことを東電に対して陳情してきました。

しかし、遅々として指定エリアの拡大が進まないばかりか、今度は損害賠償を認めるエリアを県から市町村に小さく限定していく流れが出てきました。

例えば千葉県においては2011年12月に11市町村、12年7月には新たに16市町村が損害賠償の対象となりました。また、山形県では12年2月に米沢市が損害賠償の対象になりました。

全旅連全国大会記念対談

全国大会開催への思いを語る
佐藤信幸・全旅連会長(左)と佐藤勘三郎・宮城県理事長

私たちはこうした状況に危機感を覚えました。これではダメだということで、再び県単位の指定を復活させようと、私の地元ということもあって、山形県全体を観光風評被害の損害賠償の対象にするよう取り組みました。やがて、すでに対象エリアに指定されていた福島県を除いた東北5県でまとまって運動していくことになり、結果、2012年10月に青森、秋田、岩手、宮城、山形の5県がまとめて対象エリアに追加されました。

この取り組みのなかで5県の旅館組合理事長の関係が深く密になりました。なにしろ、大臣が明日会えるとなれば、その日の予定を全部キャンセルして、みんなで東京に出かけるわけです。わずか5分の面談時間であっても出かけていきました。数えてみたら11年3月から12年の9月までに、こうした陳情や会議への出席は92回に及んでいました。

理事長 ですから今回の全国大会の開催県は宮城ですが、東北6県全体で開催するという意識が強いです。全国からの参加者を東北6県で感謝の気持ちを込めて受け入れるつもりです。特に被害が大きく、全国から多くの支援もいただいた福島、宮城、岩手の被災3県については、大会のどこかの場面で全国の旅館の皆さんに感謝を示す機会を設けたいと思っています。

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