初のツーリズム・エキスポ・ジャパン(2) オール・ツーリズムの結集
日本観光振興協会の国内旅行フェア・旅フェア、日本旅行業協会の海外旅行フェア・JATA旅博、日本政府観光局のインバウンド商談会・ビジットジャパン・トラベルマートを統合した日本初の新たな旅行博「ツーリズム・エキスポ・ジャパン」。国内旅行、インバウンド旅行、アウトバンド旅行のオール・ツーリズムの結集は、新たなイベントとしてのステップアップというだけでなく、国策としての観光振興の目指すところを示したものと言える。
国内、訪日、海外 旅行情報が一堂に
展示会への参加国は世界151カ国・地域の1129企業・団体。日本国内からも全47都道府県から出展があった。オール・ツーリズムといっても国内、訪日、海外とターゲットが異なるのは必然で、融合という意味では旅行博としての課題は残るものの、一般来場者にとっては、より魅力のあるイベントとして受け止められたようだ。例えば国内旅行の情報を求めた来場者が、同時に隣接する会場で開かれている海外旅行博に立ち寄ることで、旅行先としての海外に目を向けるきっかけになった。週末を過ごす楽しい旅行博イベントとしても魅力はアップしただろう。
9月26日の開会式には海外の観光大臣らを含む1100人が出席。秋篠宮殿下が臨席し「旅を通じて人々の絆が拡大することを祈念します」とお言葉を述べられたほか、主催者の田川博己・JATA会長は「国をあげて観光大国への機運が高まっています。スタートしたばかりのツーリズム・エキスポが、世界のツーリズムをリードすることを確信しています」と期待を込めた。
式典後に行われた国際観光フォーラムでは、基調講演やシンポジウムに2700人が参加した。
観光フォーラムでテーマとして取り上げられたのは、日本の観光と2020年の東京オリンピック・パラリンピック。昨年のフォーラムに続き基調講演をしたUNWTO(国連世界観光機関)のタレブ・リファイ事務局長は、日本政府が目標としている20年に訪日客2000万人の達成について「日本人らしく控えめな目標だと思う」と感想を述べ、「アジアの国際観光は伸びており、日本はその中心に立っている」と、目標達成を楽観視する見方を示した。
また「オリンピックは黄金のチャンスになる。人的にもインフラにおいても、やるべきことをやるきっかけになり、課題克服にチャレンジできる。オリンピック後の21年に日本がどうなっているか、どんなレガシーを残せるかが大事」と意義を強調した。