堅調の14年「観光番付」(3) 大阪席巻ハリーポッター
東の大関は「消費増税」。4月の増税前後は、消費マインドの低下が懸念されていたが「増税後も観光市場、宿泊市場は堅調に推移」(稲荷山さん)した。
旅行商品、ホテルは高稼働 富岡、若旅にも注目
同じく大関にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に7月オープンしたウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター。
開園以来最大の450億円を投じ「テーマパークの中に、もうひとつのテーマパークを作った」(USJ関係者)。今年、大阪のホテルの稼働率が軒並み上昇している要因であることは間違いない。JTBエースのハリポタ施設入場確約つき商品も大ヒットした。
張出大関は、世界文化遺産に6月選ばれた富岡製糸場と絹産業遺産群。4月からの累計入館者数は11月下旬で100万人を突破した。反面、受け入れ態勢の課題も浮き彫りに。
関脇には、若者の旅と観光列車ブーム。旅行離れが深刻視されていた若者が徐々に旅へ回帰している。観光庁は2013年から、大学などに講師を派遣する「若旅★授業」を行い、次代の市場を開拓するため民間でも様々な取り組みが行われている。
その代表例が、じゃらんリサーチセンターが主導している「マジ部」シリーズ。11年から始めた19歳だけを対象に全国100以上のスキー場で何回リフトに乗っても無料になる「雪マジ!19」。今年秋には、22歳の入浴料が無料になる「お湯マジ!22」なども始めており、需要創出に成果を挙げている。