15年の観光を占う 四字熟語で示す一年(3) カギ握る訪日客
【金確玉城】は、井門さんが選んだ「金沢の金、金箔の金、金剛峰寺(高野山)」の【金】▽日本の観光産業盛衰の最大要因は外国人観光客であることが「確定」すると占う佐藤さんの【確】▽兵庫県朝来市の竹田城跡の絶景が「天空の城」などと大いに話題になるなど、14年の観字1字で来年は城がくる予告していた橋爪さんの【城】から。
20年に向けて力を集中
今春、金沢まで北陸新幹線が開業し、世界文化遺産・姫路城天守閣が公開される。「大阪城では大坂の陣400年プロジェクトが展開され、東南アジアからの観光客にも侍や忍者など武家文化の象徴である城郭がさらに人気を集めるのではないか」(橋爪さん)。
井門さんが理由に挙げた欧米人に人気の高野山も開創1200年を迎え、外国人観光客の人気を集めるのは必至。まさに国内観光地盛衰のグリップを握るという佐藤さんの指摘通り。「金確玉城」が今年1年の金科玉条になるのは間違いなさそう。
【貯士際彩】は、松坂さんがいう「20年に向けて地味に力を貯蓄する」の【貯】▽国際交流、インフラ整備が演出する新たな地域との出会いなどボーダレスにすれすれの個性、魅力が「際立つ」とみる久保田さんの【際】▽「多彩な切り口で考えることができるのが観光業」と提案する井村さんの【彩】から。
訪日外客2千万人の目標年であり東京五輪も開催される20年。国と国の垣根は低くなり、訪日客も地方へと繰り出し、空き家を宿にするビジネスなど多彩な宿泊業も登場するだろう。だけど「期待が高まり、リノベーションしたくなる局面もあるだろうが、ここは我慢して資金、人材を貯めていく。表層的なマーケットの姿に惑わされてはいけない」「貯めこんだ力を一気に放出するのは21年」(松坂さん)。多士済々の人材育成とともに、観光業も画一的ではなく「貯士際彩」で。