日中韓交流3千万人(2) 業界団体がムード醸成
今年は第2次世界大戦終戦70周年や日韓国交正常化50周年の節目の年。しかし、日中、日韓の政治的対立から祝賀ムードはなく、周年記念を契機とした観光交流事業も身動きがとりづらい状況が続いていた。
ANTA、JATAらが躍動
政府間の交流が停滞するなか、こうした状況を打開しようと、民間の観光関連団体は早くから動いた。
日韓の観光団体が主催し、日韓観光交流拡大シンポジウムを14年8月にソウルで、12月には東京で開催。今年2月にはANTA(全国旅行業協会、二階俊博会長)が観光関係者など1400人を率いてソウルを訪問し、韓国観光公社(KTO、卞秋錫社長)と日韓国交正常化50周年・日韓観光交流拡大会議を開き「日韓観光交流拡大宣言」に調印した。
また、同月にはANTA、JATA(日本旅行業協会、田川博己会長)、日観協(日本観光振興協会、山口範雄会長)の観光3団体が会見を開き、5月に3千人規模の観光文化交流団を組織し、中国を訪問することを発表した。
このときの会見でANTAの二階会長は「民間で3千人が訪中すれば各界に影響を与え、そうした流れができ、凍りついた日中関係打開の一助になると確信しています」と期待を示していた。日中韓観光大臣会合の実現は、こうした民間の活動が後押ししたものと言える。