僕らは宿やが好き-全旅連(5) 耐震が立候補の動機-北原次期会長
―会長に立候補した思いを教えてください。
北原 立候補した直接のきっかけは耐震問題です。私の地元である京都では昨年暮れから今年にかけて、修学旅行を受け入れている旅館が廃業したり、外国人専門の素泊まり旅館に事業を転換しているところが出てきています。これは耐震補強ができないと修学旅行を受けることができなくなるからです。
連携して陳情を
―耐震改修がまさに事業の存続に関わっているんですね。
北原 そうです。この問題は我々の業界においては死活問題です。今年秋の時点で実際に5千平方メートルを超える宿泊施設は決断を迫られます。そのため、全旅連では昨年から耐震対策本部をつくり国への陳情などを行い、耐震診断の費用や改修工事にも予算をつける方向になりました。
今年末の時点で全国の耐震の診断結果の報告がどの程度集まったかによって、我々の政治運動も次のステップに入っていかないといけません。
―具体的にはどのようなことでしょうか。
北原 引き続き細かい部分を詰めていく意味でも、地方の首長への陳情と国への陳情を連携してやっていくことが重要になると考えています。
すでに病院の耐震補強については超低利を出す制度があるので、それに近いものをぜひ考えてほしいと思っています。改修費用で足りないところは、長期の低利融資しかありませんから。
その代わり、いざという万が一の時には一次避難所ができるまでの間、我々の業界で被災者の宿泊を引き受けます。