転じて"福"を呼ぶ(2) 栃木県鬼怒川温泉―東武が運転再開
都心から鬼怒川温泉への大動脈、東武鉄道は9月18日15時に浅草発の「きぬ123号」から通常運転を再開した。鬼怒川温泉発も15時45分発「きぬ130号」以降、一部臨時列車を除き通常ダイヤに戻った。JR東日本との相互直通特急も通常運行している。
秋の紅葉シーズンは例年通りに
東武鉄道では、新鹿沼―下今市間で運転を見合わせていた日光線が18日13時以降から運転を再開。鬼怒川線に続く野岩鉄道に乗り入れる列車は上三依塩原温泉口までの折り返し運転を19日から再開した。会津鉄道のAIZUマウントエクスプレスも通常運転に戻った。
JR日光線はすでに運行を再開している。
道路は、鬼怒川温泉から福島県会津地方に抜ける国道121号は17日現在、龍王峡付近などが不通になっているが、25日から一部片側通行のところもあるものの通行可能に。川治温泉へのアクセスが改善する。日光市によると、そのほか不通箇所も9月下旬までには通行できる予定だ。
一方、鬼怒川温泉街では、川に面した露天風呂だけが崩落し繰り返しテレビなどで報道された鬼怒川プラザホテル(9月30日に再開予定)を除き各旅館ホテルは通常通り営業している。一部、ボイラーや電気系統の被害を受けた宿泊施設もあったが、いずれも現在は復旧した。観光施設では日光江戸村や東武ワールドスクウェアは通常営業している。ただ、鬼怒川ライン下り、鬼怒川ロープウェイは休止中だ。
鬼怒川温泉の旅館経営者は「鬼怒川下流の氾らんと情報が錯そうして風評被害にならないよう、理解を呼びかけたい」とし、まもなく紅葉が本格化する日光市への来訪を呼びかけた。