少"壮"高齢化進む(2) 50歳以上が6割占める
貸切バスドライバーの高齢化は警察庁交通局の「運転免許統計」を見ても明らかだ。
ドライバー不足は必然 将来の機会損失も危惧
第2種大型免許の保有者は2009―13年の5年間で約109万人から約101万人に減少。13年の年齢構成は60歳以上が約56万人、うち30万人強は70歳以上で、定年を見据える50―59歳の約20万人を含めると6割を超える。若手の39歳以下は8万人弱といびつな構造で、現状の不足はもちろん、このままだと将来的にも大きな減少は避けられない。
訪日客が急増している北海道でもこの問題が顕在化。北海道のあるバス会社によると、14年9月末時点での北海道バス協会員貸切バス専業者の保有バス台数1017台に対して乗務員数は914人。この時点で不足だが、台数にある指数を掛けて本来必要な乗務員数を求めると約1220人となり、現状で306人も不足している。
北海道では16年3月に北海道新幹線が開業し、今後国内外からの来道者増が見込まれる。20年には1日あたりの必要ドライバーの不足は410人となり、ドライバー不足による観光消費額の機会損失は年間1194億円にも上るという。