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ビッグデータ生かす―RESASで「見える化」(2) 観光客の流れを把握

RESAS(https://resas.go.jp/)には「観光マップ」というメニューがある。観光マップには6つの項目があり、それぞれ民間通信企業による携帯電話位置情報、JNTOの訪日外客数などをベースに推計したデータを示す。

観光戦略の立案に活用

「From―to分析(滞在人口)」は、ある都道府県、市区町村に2時間以上滞在した人が、どこの都道府県・市区町村から来たかを平日・休日別に把握できる。例えば鳥取県米子市の場合、休日の人の流れは図のようになっている。これを詳細にみると、県外から来訪する市町村ベスト10が示される。1、2位は隣の島根県安来市と松江市で、この両市で来訪者の5割を超える。隣接県の市町が多い中で、8位に千葉県松戸市、10位に神奈川県厚木市がランクされており、平日でも同様の傾向がみられることがわかる。

RESAS

米子市にどこから訪問したかを
示すデータ

まち・ひと・しごと創生本部事務局では「どの地域に観光パンフレットを配布するかなど観光戦略の立案に活用できる」とし、米子市の場合は隣県で観光キャラバンを実施すると効果がみられるかもしれない。

「滞在人口率」は、市区町村単位で平日・休日別、時間帯別の滞在人口を表示できる。高知市では、平日は3月で18時、休日は6月で17時がもっとも多いことがわかる。逆に休日の1―3月が少ないことがわかり、閑散期対策のキャンペーン展開などによって滞在人口を増やせるかもしれないなど「観光戦略を立てることができる」(同事務局)としている。

滞在人口率は他地域を同一表示して比較・分析することも可能で「滞在人口率(滞在人口/当該自治体の人口)を地域の集客力や地域活性化のKPI(重要業績評価指標)とすることができる」(同)という。

「メッシュ分析」は、500メートル四方(政令指定都市は250メートル)のメッシュ単位で、月別・時間帯別の流動人口の集積度合いを表す。流動人口とは滞在人口と通過人口の合計で、特定地域の人口ポテンシャルが明らかになる。さらに任意の範囲を指定しグラフ表示することで、月別・時間帯別の推移がわかり「人気の観光スポットを把握するとともに、過密地域から周辺地域に誘導(周遊)するための観光戦略が立てられる」(同)ことが想定されている。

月別、時間帯別の流動人口によってエリアの特徴が大まかに把握でき、地域イベントの開催、時間帯の分散平準化を図る着地型観光商品の造成などにもつなげることが考えられそうだ。

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