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訪日市場を取り込む-全旅(2) 地旅武器に個人旅行を地方へ

研修会の冒頭、中間社長は「4月から旅行事業部にインバウンド事業推進室を立ち上げた。外貨両替機をホテルに納入することなどを始めているが、我々の武器は16年前から取り組んでいる着地型観光、地旅だ。地旅商品の多言語化を行い利益が生じる方向に持っていく。それには私たちが連携し、情報を共有すること。そのことで自社事業にプラスアルファを生じさせることが可能になると考えている」と述べ、インバウンド事業推進への理解を求めた。

地域の旅行会社に期待大きく

観光庁外客誘致室の笈田雅樹室長は、拡大を続ける訪日旅行をマクロ的に紹介し、その中で「団体旅行から個人旅行へのシフトが始まっている。中国でも2010年に77.5%だった団体旅行の割合が15年には56.2%に下がった。ニーズの多様化が進み、様々な魅力を提供することが重要になっている。逆にいうと団体旅行ではすくいきれなかったニーズを拾うチャンスだと思う」。韓国や台湾ではリピーター比率が8割を超えており、今後は個人旅行への対応が重要だと指摘した。

また、国の政策・ビジョンについて、観光先進国を目指し公的施設や文化財、国立公園の活用などに取り組んでいることを紹介。訪日外国人旅行者数を30年に6千万人にする目標を達成するために、笈田室長は「これまでと同じことをやっていては到底達成できない野心的な数字」とし「現状ゴールデンルートに偏っており、インバウンドによる地方創生が大きな課題だと認識している。そのためには地域の旅行会社に、インバウンドに目を向けていただく必要がある。外国人旅行者を地方へ連れてくる取り組みをぜひ進めてほしい」と呼びかけた。

旅行会社や観光施設など約250社でつくる一般社団法人アジアインバウンド観光振興会の王一仁理事長は、インバウンドは外貨を獲得する輸出産業とし、産業拡大のための「ルールづくりが大事」と指摘した。フランスやスペインなどでは旅行業者を通さないと、様々な予約ができないなど制約がある。ショッピングもそうで、旅行業者を通さないと免税されないという。

王理事長は「旅行業者のステータスが必要。インバウンドでたくさん訪れても儲けられない。今のままでは旅行者が運び屋になっており、輸出産業とは言えない」とした。

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