鳥取で待っとります(2) 冬のカニシーズンへ観光問題なし
10月21日に発生し最大震度6弱を記録した鳥取県中部地震から1週間後の28日、平井知事はJR西日本の来島達夫社長と会談し「(この1週間)震災前の状態に戻したいと一生懸命、復旧に取り組んでまいりました。交通の面では、鉄道ではJR西日本が誠心誠意、復旧へ取り組んでいただいたおかげでまったく問題なく行き来できています。高速道路や主要道路についても現在までに仮復旧も含めて、こちらも問題ございません」と強調した。
観光地、アクセスは正常化 地震風評払しょくへ
来島社長は「私どもの使命は、鉄道で関西から鳥取県への誘客です。これからのカニのシーズンに向けて商品造成やテレビでの発信、多方面に渡る媒体への宣伝など、いろいろな手段があろうかと思います。お役に立てるよう頑張ってまいります」。JR西日本では、お得な料金でカニを食べに行くことができる旅行商品「かにカニエクスプレス」も鳥取方面へ例年通り販売している。
会見の場で、平井知事が地震後の状況についても説明した。旅館や観光施設は、中部地域を中心に室内でものが落ちたり配管などの破損はあったものの、重大な被害は報告されていないという。不眠不休で通常営業の再開に向けた施設も少なくなかったが、地震に伴うキャンセルは県内の旅館ホテルで28日現在1万件に達した。民家では屋根瓦が落ち3万3千枚のブルーシートを配布、約1万棟が被災したと推測されている。農業では特産の梨が収穫前に落下するなどの被害がでた。
知事自身は、本震の約2時間前に発生した最大震度4の状況を確認し自動車で県庁に戻る途中だったという。その後は情報収集と早期復旧にあたり、国などの担当機関にも早期の災害復興を進める施策を依頼している。
県中部の倉吉市や三朝温泉、東郷湖をはじめ、西部の皆生温泉や大山、水木しげるロード、東部の鳥取砂丘などの観光地はすでに通常に戻っている。
鳥取県旅館組合おかみの会の中島三秋会長は「震災後のキャンセルの電話に皆ショックを受けております。震災前と何の変わりもございませんので、女将さんと社員の笑顔、たくさんのカニを付けて皆さまのお越しをお待ちしております。今冬のカニは鳥取で食べなきゃいけない、ということでどうぞ応援してください」と話す。