コト消費を促す(2) 「殺陣道」体験やショーが人気
大阪市中央区の雑居ビルに外国人グループが押し寄せている。一般社団法人日本殺陣道協会(八木哲夫会長)が実施している殺陣道体験がお目当てだ。
日本ならではの体験に外国人客が注目
参加者は着物に着替え、刀の扱い方や立ち回りを学び、つばぜり合い、抜き胴など音響入りの殺陣体験までを行う。セリフ入りのショー仕立てで、その模様を八木会長自ら撮影し参加者にプレゼントする。5年ほど前から始め2014年に年間1千人を突破するなど、体験者が続々増加。トリップアドバイザーなど口コミ効果もあって、日本ならではの体験として定番化しつつある。
参加費は1組4人までで2万1600円。殺陣体験の合間に日本人スタッフとの交流も人気の秘密だという。八木会長は「出前のショー出演依頼なども増えて、断らなければいけないケースもあります。『もののふ塾』をスタートさせ、人材育成や地方への進出を考えています」という。
JTB西日本は1月30日―2月4日の春節の期間に、外国人向けエンターテインメント「レビュー・ジャパン~ゲイシャ&サムライ」を今年初めて開催。大坂の陣をモチーフにした殺陣、日本舞踊のショーをOSK日本歌劇団と共同で開発、実施した。
会場は大阪市のあべのハルカス内で、英語の字幕をつけたほか、中国語に堪能な役者が場を盛り上げた。1時間ほどのショーで入場料5千円と安くはないものの、6日間の稼働率は8割超。来場者の満足度も高かったという。同社広報室では「夜の観光が乏しいと指摘されていた中で手応えを得ました。常設を目指したい」と話す。
いずれもコトの提案で誘客につなげた。