適正な事業者を-貸切バス法令厳罰化(2) バス会社側も決意
国土交通省関東運輸局から担当者を招き開かれた説明会には130人が出席した。今回の貸切バスに関する関係法令の改正は、昨年1月に発生した軽井沢スキーバス事故を受けての措置で、「道路運送法の一部を改正する法律」として大部分が昨年12月に施行された。
「バス会社が残っていく一里塚に」
改正は、(1)事業許可の更新制の導入(2)欠格期間の2年から5年への延長など不適格者の再参入の阻止(3)民間指定期間による巡回指導の導入(4)安全確保命令に従わない場合の法人に対する罰金の100万円から1億円への引き上げなど罰則の強化(5)行政処分として行っているバスの使用停止期間の延長や使用停止車両の割合の引き上げ(6)街頭監査による即時車両運行停止処分の厳格化―など安全対策の強化が柱。
説明会には同協会所属の旅行会社のほか、貸切バス事業者4社の代表者が出席し、このうち東都観光バスの宮本克彦社長が、直接には軽井沢スキーバス事故を契機とした法令違反に対する厳罰を柱として今回の改正に至るまでの、過去の経緯を説明した。
宮本社長は、2000年に行われた貸切バス事業についての規制緩和以降の新規参入事業者の急増や、それに伴う激しいダンピング合戦による運賃の低下、12年に起きた乗客7人が死亡する関越バス事故を受けて、下限割れ運賃の契約について旅行会社の責任を加えた新運賃料金制度の導入と、それでも防げなかった軽井沢スキーバス事故までの経過を説明。
そのうえで「こうした事故は絶対に起こさせないという法令改正になっているという認識を、旅行会社と共有したい。特にバス会社には厳しい内容で、とんでもないバス会社を使うと、バスを動かせないケースも出てきて、旅行者に迷惑がかかる。バス会社選びの参考になる情報は国交省がネットで公開しています。安全・安心な貸切バスは社会の要請でもあり、今回の法改正を、きちんとしたバス会社が残っていく一里塚としたい」と協力を求めた。