旅行業の新しい潮流 ファンが認定、神社の“聖地化”(1) 羽生結弦・カーリングでファン参拝
豪雪、極寒だった今冬を熱くさせたのが平昌オリンピック・パラリンピックだった。できすぎた感すらあったリアル王子様の復活劇やブレークタイムの「もぐもぐ」など、一大スポーツイベントから派生するリアルな“ものがたり”が衆目を集めた。そのものがたりは人を動かす力となって、イベントそのものの集客力以上に潜在的な市場を呼び起こすものだったかもしれない。パワースポット、聖地巡礼というトレンドにコミットしながら、自らの耳目を覚醒することで生じる旅行業の新しい潮流をみた。
神戸・弓弦羽神社と北見・常呂神社 平昌五輪の英雄ゆかり
平昌オリンピックで一番のヒーローと言えば、男子フィギュアスケートで金メダルに輝いた羽生結弦さん。大ケガから復活しての2連覇は、まさに“神がかり”だった。
すでにマスコミで多数報道されている通り、その神がかりな2連覇には神戸市東灘区の「弓弦羽(ゆづるは)神社」がある。羽生選手の名前に似ていることで注目され、オリンピック前からケガの完治を願うファンが参拝。オリンピック後はお礼参りをしている。

弓弦羽神社には羽生選手の
金メダル獲得を祝う絵馬が並ぶ
「そだねー」「もぐもぐタイム」で話題になった上に銅メダル。一躍メジャーになったカーリング女子日本代表が、オリンピック前に必勝祈願したのが地元、北海道北見市の「常呂神社」。しかも、おみくじがカーリングストーンをモチーフにしたストラップで、今やプレミアム化している。
スポーツ選手のものがたりによる聖地化のハシリは、三重県鳥羽市の「石神さん」(神明神社)。女性の願いごとが必ず1つ叶うことで有名。願掛けして石神さんのお守りを持ってアテネオリンピックのマラソンに出場した野口みずきさんは見事金メダル。これ以降、地元の受入整備もあって一過性に終わらず、いまだに参拝する女性客は後を経たない。
(トラベルニュースat 18年3月25日号)
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