“公”を使い倒す コロナ経営危機を乗り切るために(2) 雇用調整助成金
追加措置で活用を容易に
「雇用調整助成金」は、業績悪化に伴う雇用調整に対し助成金を支給するものだが、コロナの影響による休業に対して、厚生労働省が特例措置を講じている。
特例措置は助成率の引き上げなどで、コロナ感染拡大による影響の大きさから4月10日にはさらに追加措置を講じた。申請書類の簡素化も行い、助成金の活用を容易にし中小企業の事業維持を促している。追加措置を含めた特例措置は次の通り。(4月16日時点、期間は6月30日まで)
【対象の事象】 休業・教育訓練・出向
【対象事業者・従業員】 雇用保険の適用で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける会社・個人事業主。従業員は雇用保険6カ月未満、パートやアルバイトなど被保険者でない場合も可。
【経営状況】 計画届提出月の前月の売上高などが前年同期比5%以上減
【助成率】 中小企業は従来の3分の2から5分の4へ、大企業は2分の1から3分の2へ引き上げ。事業主が雇用を維持した場合は助成率を中小企業は5分の4から10分の9へ、大企業は3分の2から4分の3へ引き上げ。
【教育訓練実施時の対象被保険者1人1日あたりの加算額】 加算額は中小企業は1200円から2400円へと倍増。大企業は1200円から1800円に。自宅でのインターネット使用など教育訓練の範囲を拡大、教育訓練の受講日に教育訓練を受けた労働者を業務に就かせることも可。
【支給限度日数】 年100日の支給限度日数にかかわらず利用可能。
【事後提出期間の延長】 休業手当をすでに支給している場合の計画届の事後提出期間を6月30日まで延長。
【そのほかの緩和要件】 短時間休業は事業所での一斉休業だけでなく事業所内の部門、店舗ごとの休業も対象に。休業規模要件は中小企業が20分の1以上から40分の1以上に、大企業は15分の1以上から30分の1以上に緩和。残業相殺も当面停止する。
【申請書類】 自動計算機能付き様式の導入や残業相殺の停止など記載事項の半減や休業実績の合計日数表記など記載事項の簡略化、添付書類の削減など申請手続きの負担を軽減。計画届、支給申請の様式は厚生労働省HPへ。ガイドブックも掲載している。
(トラベルニュースat 20年4月25日号)
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