Go Toトラベルキャンペーン「8月の早い段階」(1) 観光庁田端長官が開始時期示す
新型コロナウイルス感染症の影響で疲弊する国内観光産業を支援する「Go To トラベルキャンペーン」。観光産業もコロナ禍から復興のきっかけとして期待が大きい中、田端浩観光庁長官が6月17日に開いた定例会見で、「8月の早い段階での事業開始を目指す。感染症の専門家の意見も踏まえ、効果的な事業の実施に努める。キャンペーンの期間は6カ月程度」などと話した。
団体旅行も対象で期間は半年
田端長官はキャンペーン開始時期について、5月20日の定例会見では「2カ月前後先」と、7月下旬の見通しを示していたが、キャンペーン実施主体となる運営事務局に支払う委託費用が巨額すぎると国会で問題視され、公募方法が抜本的に見直されたことが影響した。
ただ「8月の早い段階での事業開始」についても、準備が整い実際に旅行の適用期間が始まるのか、適用期間が告知されるだけなのかは流動的だ。
キャンペーンの概要は、宿泊旅行や日帰り旅行商品について、1回あたり費用の半額を上限に、最大2万円を国が補助するというもの。補助は7割程度を宿泊・旅行代金に、3割程度を旅行先で使える地域共通クーポン券の配布にあてる。
キャンペーンの対象事業者は、旅行業者やOTA(オンライントラベルエージェンシー)のほか、宿泊事業者による直販も含む。個人旅行だけでなく、旅行業者や予約サイト経由で手配される修学旅行や職場旅行などの団体旅行も補助の対象となる。
会見で田端長官は「全国5万の宿泊施設、1万の旅行業者、(地域共通クーポンの対象となる)数十万以上の土産物屋、交通機関などが参加する1兆3500億円の大規模事業です。事務局の業務は、全国での事業説明会開催、事業者の参加登録、2−3億枚のクーポン印刷、利用実績の報告、精算業務、メディア通じた広報など多岐にわたります」と話し、短期間での準備の難しさにも言及した。
観光庁は6月16日から、Go Toトラベルキャンペーンの運営事務局の公募を開始している。受付期間は6月29日まで。運営事務局が決まるのは7月上旬の見通しで、8月開始に向けた準備の時間は長くはない。
(トラベルニュースat 20年6月25日号)
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