ピンチをチャンスに 日本観光振興協会・久保田穣理事長に「ウィズコロナ下の観光」聞く(1) “不要ではない”旅行の回復へ
日本観光振興協会が6月12日に開いた通常総会で新たに理事長に就いた久保田穣理事長。新型コロナウイルス感染症により観光産業や観光地が多大な影響を受けている中で、着任早々、難しい舵取りが求められる。ウィズコロナ下の旅行スタイルを啓発する一方、観光業界最大のピンチを未来に向けて羽ばたくチャンスにつなげられるよう全力を尽くしたいと意欲を示した。
「訪問しても安心な場所」から
−自粛するなど、観光・旅行の本質的な活動が制限されている現状をどう感じていますか。
国内での感染拡大・緊急事態宣言という事態を受け、様々な活動が制限されてきた中で、一時的に「今は旅行を控えよう」という動きになり、観光産業には大きな被害が出ています。観光は「移動」と「交流」が本質的部分だからですが、その根源は人間の好奇心や癒しを求める心にあるもので、不急である部分は否めませんが、決して不要なものではありません。
一方で、感染症に向き合いながらの旅行は必須であり、事業者の対策も必須で、協会としても安心・安全の情報を積極的に発信していきたいと考えております。

自粛解除直後の京都・産寧坂(三年坂)。
人通りはまだまばら
−国内観光の現状と、今後の見通しについて数字的な指標があれば教えてください。
新型コロナウイルスの感染状況など、観光を取り巻く環境が日々めまぐるしく変化しており、現状ではっきりとした指標や予測をたてることは非常に困難であると考えます。
一方で、各地域において、このような環境下にでも嵐が過ぎ去った後に向けて、インターネット上を中心に、地域の魅力に関する情報発信が意欲的に行われています。中には、オンラインバスツアーなどこれまでになかったようなユニークな形態も見られ、コロナウイルス感染拡大前の水準までに回復することはすぐには難しいと思いますが、感染の拡大状況とにらみあいながらも、観光に対するニーズは確実にあることから、徐々に回復へと向かっていくのではないかと考えます。

日本観光振興協会
久保田 穣 理事長
−今後、国内観光の復興はどのようなステップで進むのでしょう。
先ほどの質問でもお話ししましたが、感染の拡大状況を見極めながら、第2波・第3波の感染拡大を発生させないように配慮しつつ、徐々に復興へ向けた歩みが続いていくものと考えています。
その上で、地域内、県内といった地理的な要素や、補助・割引といった要素はもちろんあると思いますが、それ以上に、その地域や施設が自分たちにとって、訪問しても安心な場所であると考えられるところからお客様が戻り、徐々に拡大していくというステップを踏みながら復興へと向かうのではないでしょうか。
(トラベルニュースat 20年7月10日号)
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