コロナ禍に立ち向かう ANTA総会で新体制固まる
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)の第57回定時総会が6月29日に東京都内で開かれ、任期満了に伴う役員改選で新体制が固まった。二階会長を再選したほか、副会長には新たに北敏一さん(石川県・トラベルシティ)が選ばれ、近藤幸二さん(岡山県・全観トラベルネットワーク)と駒井輝男さん(東京都・東日本ツーリスト)を再任した。専務理事は有野一馬さんが退任し、菅井雅昭さんが着任した。
「地域経済をけん引する役割」 二階会長、会員に奮起促す
二階会長はあいさつで「新型コロナ感染症が内外で流行し、移動の自粛要請や緊急事態宣言などにより、我々の業界はかつて経験したことのない影響を受けました。当会としては会員の経営再生に向けて、無利子資金の有志や雇用調整助成金の特別措置などに取り組んできました」と報告。
次いで「ワクチン接種が広範囲で行われ、感染予防の実績が急増する日を期待し、それまでに我々は新しい観光業の活路を見出すことが必要です。地域経済をけん引する役割を担っているのが我々5500社の全旅協会員だという自信を持って、奮起してほしい」と激励した。
観光庁の蒲生篤実長官は、Go Toトラベルキャンペーンについて「来るべきときの再開を考えたい」と述べ「当面はコロナウイルスを抑えつつ、旅行業に携わる事業者の資金繰りの支援を行いたい。新しい旅行スタイルに沿った着地型旅行の推進を図ることで、地域観光を活性化させたい」と述べた。
副会長に再選した近藤さんは「コロナ禍で予断を許さない状況下ですが誠意を持って役職を務めたい」。また、駒井さんは「2年間、近藤さんと永野(末光)さん(前副会長)に鍛えられて副会長を務めてきましたが、これからの2年間はその成果を発揮できるようにしたい」。新任の北さんは「コロナ禍の中で重責をいただいたという責任を感じています。5500社の会員の皆様に会員でよかったと思っていただけるよう努力したい」と、それぞれ抱負を語った。菅井専務理事は「国交省に1985年に入省し、観光部企画旅行課に配属されたほか、県庁に出向したこともありますので、業界発展のために努めたい」と述べた。
今年度事業は、旅行業を取り巻く環境変化に対応し新型コロナウイルスの感染防止対策と社会経済活動の両立を目指して、旅行業の復活と旅行社の安全・安心の確保のための事業を重点的・効率的に実施▽中小旅行業者の経営の維持・雇用の確保は政府の様々な経営支援策の要望活動や会員支援に取り組む▽感染防止対策を徹底した上でGoToトラベル事業など旅行需要回復のための国の支援事業に積極的に参画−などとした。
国内観光活性化フォーラムについては22年2月に山梨県甲府市で開催することを決めた。
(トラベルニュースat 21年7月10日号)
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