国内旅行者数、19年比11%減の2億6千万人まで回復見込む JTB予測・22年の旅行動向
JTBは3月18日、今年2022年の旅行動向の見通しをまとめた。今回はコロナ禍が続く現況から国内旅行のみが対象で、国内旅行者数はコロナの感染状況が一定の落ち着きをみせた想定で2億6千万人と推計。前年比では97%増で、コロナ前の19年比では11%減まで戻ると予測した。オミクロン株による感染がやや沈静化し、国や都道府県による需要喚起策などを通して、ここからの国内旅行回復が期待される。
コロナが落ち着けば 「新しい旅のスタイル」定着へ
今年の国内旅行市場は、内閣府の見通しではコロナの影響を受けなければGDPは名目、実質ともに大幅に伸びると予測。JTB総合研究所の意識調査からも旅行意欲の高さがあることから、オミクロン株が収束すれば旅行需要の高まりが期待できると予測し、2億6千万人の旅行者数を見込んだ。
旅行費用については算出していないが、コロナ禍の今後が不透明ではあるものの、20年のGo Toトラベルキャンペーンでは消費支出が伸びたことから、感染状況が落ち着けば一定の消費は期待できると予測した。一方で、同社のアンケートでは支出を減らしたい意向が強まっていることから今年の旅行支出は厳しいものになるとの見方も。物価の上昇が水を差す可能性も指摘しており、まだまだ厳しい一年になりそうだ。
旅行動向については、コロナ禍の影響で少人数で近場へという「エリアツーリズム」、旅先では1棟貸しやアウトドアが人気に。宿泊施設では徹底した感染防止対策が求められるようになり、この環境下から今まで以上に地域との交流を求める意識が強まった。
また、カーボンオフセットの仕組みを利用した旅行商品の登場や、「プラスチック資源循環促進法」施行への宿泊施設の対応など、事業者、旅行者ともにSDGsへの意識向上がさらに進展。この流れは今後も継続、「新しい旅のスタイル」定着が進むことが期待される。
今年は香川県での瀬戸内国際芸術祭、長野県での善光寺御開帳と諏訪大社御柱大祭、「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリー」や「ジブリパーク」(愛知県)のオープン、西九州新幹線の開業など大きな話題にも注目が集まる。

国内旅行回復の話題の一つが
「瀬戸内国際芸術祭」の開催
(写真は前回開催時)
(トラベルニュースat 2022年3月25日号)
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