地域ブロック割で連携 北海道・東北の旅行業組合ら
北海道と東北6県の中小旅行会社がタッグを組み、いわゆる「県民割」の道県外への送客(地域ブロック割)に関して支援窓口を設けている。地域ブロック割に伴う県外送客については、送客先に割引枠を持たない旅行会社は実施できないことから、営業拠点が限定される中小旅行会社の販促活動の足かせになっていた。地域ブロック割に伴い県境を越えて中小旅行会社が連携するのは全国でも初めて。送客支援窓口の設置に奔走した全旅東北地区ブロック長で、岩手県旅行業協同組合の佐藤好徳理事長は「この取り組みで中小旅行会社の存在をアピールしたい」としている。
相互送客を活発化 中小の存在感示す
北海道・東北の地域ブロック割で連携したのは株式会社全旅北海道地区と東北地区の加盟旅行会社が中心。北海道旅行業協同組合(松本和英理事長)▽青森県旅行業協同組合(片野治理事長)▽岩手県旅行業協同組合▽全旅みやぎ株式会社(佐藤仁哉代表取締役)▽協同組合秋田県旅行業協会(佐藤明正理事長)▽有限会社山旅(三浦達雄代表取締役)▽福島県旅行業協同組合(芳賀峰洋理事長)がタッグを組んだ。7つの事業会社・団体に加盟する旅行会社を合わせると北海道、東北で550以上の事業者にのぼる。
県民割については4月1日から、観光庁が地域観光事業支援(需要創出)の対象範囲を地域ブロックに拡大したほか、4月20日には実施期間を5月9日から5月31日宿泊分まで延長すると発表していた。
ただ、道県外に送客する際に、送客先の割引枠を持たない旅行会社にとっては地域ブロック割に対応できず、顧客の要望に応じられないケースが少なくなかった。そのため、全旅東北地区の佐藤ブロック長の呼びかけで北海道と東北6県の事業会社・団体で会員の利便性向上について協議。事業会社・団体で所在道県の割引枠を確保するとともに、送客の支援窓口を各道県事業会社・団体の事務局に設置、対応することを決めた。
全旅みやぎについては、事務局が旅行業登録を直接有していないので、加盟会員旅行会社が協力している。地域ブロック割の精算については全旅クーポンを用いるなど、地域ブロック割の運用に関しては独自にルールを設定した。
7事業会社・団体では連名で「県外送客支援窓口をご利用いただくことで、旅行者の取り扱いが増加し、北海道・東北ブロック内における会員の相互送客が活発になることを期待している」としている。
(トラベルニュースat 2022年5月10日号)
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