オール関西で送客支援 石川県・山代温泉と旅行会社が意見交換(1) 地元旅館関係者が現況報告
能登半島地震から3週間ほどが経過した1月19日、石川県の山代温泉観光協会(和田守弘会長=たちばな四季亭)が大阪市北区のホテルグランヴィア大阪で観光説明会を開いた。当初は、山代温泉の旅館関係者と関西の中小旅行会社が胸襟を開いて情報交換し交流を深める目的だったが、急きょ能登半島地震の現況報告会になった。震源地にあたる能登半島では依然たいへんな状況が続くが、山代温泉のある加賀エリアは直接的な被害は軽微だったものの客足が止まったままだ。集まった旅行会社は、その場で北陸、山代温泉への応援ツアー実施を決めた。
「お客様に来ていただくことが何よりの支援」
説明会は「能登半島地震で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にも心からお見舞い申し上げたい。被災地の1日も早い復興を心よりお祈りいたします」という和田会長のあいさつから始まった。この日参加した関西の中小旅行会社20社の代表者、山代温泉観光協会のメンバーも馴染み深い能登半島を襲った事態を慮った。
和田会長によると、山代温泉の約20軒の旅館ホテルにほとんど被害はなく、観光協会加盟の飲食店など150店も通常通り営業しているという。JRや北陸自動車道も通常通り利用できる。
「震源地より100キロ以上離れている金沢市より以南、南加賀への行き過ぎた自粛はやめてほしい」と呼びかけている石川県の馳浩知事の発言を紹介しながら、和田会長は「山代温泉は硬い岩盤の上にある歴史ある温泉地です。お客様へ勧めにくい部分もあるでしょうが、お客様に来ていただくことが何よりの支援で、復興につながります」と訴えた。
地震後も変わらず元気に営業している山代温泉の古総湯や総湯、北大路魯山人寓居跡などの施設の魅力を紹介したあと、出席した30人が円卓を囲んで意見交換。旅行会社からは全員が山代温泉や加賀温泉、北陸への思いを発表した。

関西の旅行会社を前に現況を報告する
山代温泉観光協会のメンバー
(トラベルニュースat 2024年2月10日号)
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