観光物産で賑わい創出 大阪シティ信用金庫が縁結び(2) 地域の子どもたちも“作戦会議”
どこも突出せず、みんなが喜ぶことが大事
土居さんからは「モノやサービスを売るのは当たり前。それでは大型店舗に勝てない。商店街はコミュニティの場でなければならない」。森本さんたちはその金言を実現すべく「事業の予算はない、連携するしかない、連携してくれるところはどこだ?」とディスカッション。思いついたのが地方の生産者や情報発信者など特産品の販売や観光情報の発信を欲する出先機関として在阪の県事務所の存在だった。
各県事務所に突撃していった。物産展や観光PRイベントの開催場所が駅や百貨店が主だった中で、各県にとっても商店街は来場者との関係づくりにつながると興味を示した。
22年10月、同金庫の地域活性化事業「商店街PLUS事業」の第1号が大阪府守口市の土居商店街で行われた。商店街の祭りに併催し鹿児島県の物産観光PR事業を実施し集客、販売も好調で大成功。その後は空き店舗を各県の観光PRスペースにしたり、阿波踊りや伊賀忍者のフェスタを天神橋筋商店街で開いたり事業はどんどん拡張していった。「商店街、お客さん、出展者みんなが喜んでもらうのが大事。どこかが突出すると成り立ちません」と森本さん。
現地から出張する出展者の負担軽減と、子育て世代の商店街回帰をねらって白羽の矢を立てたのが子どもたちだった。「今年は留学生も担い手になってもらう予定です。お客さんが行かないから店がないのか、店がないから行かないのか。永遠のテーマですが、商店街で皆が笑顔になれるような目新しいアイデアをずっと考えています」と話す森本さんだ。
(トラベルニュースat 2024年4月10日号)
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