万博カウントダウン(1) ANTA近畿各支部、近畿運輸局と意見交換
大阪・関西万博の開幕まであとひと月あまり。万博会場のシンボル大屋根リングが公開され、各国パビリオンの竣工セレモニーも相次ぎ準備は着々と進んでいる。一方で、一般社団法人全国旅行業協会の近畿各府県支部と近畿運輸局の意見交換会では、貸切バスの乗降場所のハンドリングや会場入口ゲートの距離を不安視する声が挙がるなど懸念材料も浮かぶ。そんな中、大阪観光局の溝畑宏理事長は2025年に万博を開催する意義を強調した。
貸切バスの受入に懸念
ANTA近畿各府県支部と近畿運輸局の意見交換会が2月8日に行われた。両者による会合は初めて。ANTA各支部長や理事、近畿運輸局は自動車交通部旅客第一課の金澤重之課長と観光部観光企画課の河原正明課長らが参加した。
意見交換会で示された2025年日本国際博覧会協会の推計値によると、万博来場者の交通手段別内訳では鉄道が6割弱を占め、パーク&ライドや駅シャトルバスが3割弱、貸切団体バスは13%程度を見込む。
会場の夢洲には2カ所の交通ターミナルが設けられる。会場入口の西ゲートに近い第1ターミナルはシャトルバスの乗降場で、貸切団体バスはゲートから最短で850㍍の距離がある。第2ターミナルで一度降車しバスは会場隣の舞洲で待機。その後、第2ターミナルへ団体客を迎えに行く。
その点について、金澤課長は「第2ターミナルは広大な敷地で、ここを8区分に分けてバスを停車します。降車した場所と同じところに止まっている保証はないので、バスを見つけられない恐れがある。サイネージで停車場所を示すとしていますが、混乱が予想されます」。ターミナルに設けられている待合の日除けテントのスペースに限りがあること、夏の炎天下や降雨時にゲートまでの移動がスムーズにいくかなど懸念点も示した。

初めての意見交換
また、万博期間中は貸切バス需要がひっ迫することから標準運賃の1・3倍程度になる見込みが示され、ANTA会員からは万博後も高止まりを不安視する意見も。ただ貸切バス運賃制度は来秋に改定すると予定だと金澤課長は伝えた。
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